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6年働いた会社を辞めたとき、次の仕事を決めていませんでした。転職先を決めてから辞めるのが常識だと分かっていました。でも、「もう今すぐ辞めないと自分がダメになる」という確信があって、次を決めずに辞めました。
辞めた直後から3ヶ月間、何もしませんでした。正確には「働くための活動を意図的にしない期間」を作りました。この3ヶ月が、それまでの人生で一番大事な時間だったと今では思っています。
辞めてすぐ気づいた燃え尽き症候群
退職の翌朝、6年間ずっと続けていたアラームが鳴らない朝を迎えました。「やっと自由だ」という解放感を期待していたんですが、最初に感じたのは「空虚感」でした。
何をすればいいか分からない。何がしたいかも分からない。ご飯を作る気が起きない。外に出るのが億劫。晴れた日に布団の中にいることへの罪悪感。これが燃え尽き症候群の症状だと知ったのは退職から2週間後でした。
思えば症状は退職前から出ていました。仕事中に集中できない、ミスが増える、眠れているのに疲れが取れない感覚。これらを「疲れているだけ」と流していましたが、精神的な限界に近いサインだったと今は分かります。
燃え尽き症候群の特徴は「何かをしようという意欲が湧かない」ことです。趣味も楽しめない、食欲も薄い、人と会いたくない。この状態のまま次の仕事を探し始めても、判断力が落ちているので良い選択ができません。「とりあえず内定をくれた会社に入る」という選択をしてしまいそうな自分が怖かった。
最初の1ヶ月:ただ休む
意識して「何もしない」月を作りました。転職サイトは見ない。キャリアについて考えない。ただ生活する。
最初にやったのは睡眠を整えることです。アラームなしで目が覚めるまで寝る。これを毎日続けると、3週間くらいで「体が起きたいタイミング」が分かってきます。疲れ切っていた頃は10〜11時間寝ていましたが、1ヶ月後には自然に8時間で目が覚めるようになりました。睡眠が整うと、頭が少しずつクリアになっていく感覚がありました。
読書も再開しました。働いていた頃は「本を読む時間がない」とビジネス書の要約サービスだけ使っていました。久しぶりに本をじっくり読むと、急いでいないから内容が入ってくる。ビジネス書じゃなく、昔好きだった小説を読んでいました。目的のない読書の快楽を6年ぶりに取り戻した感覚がありました。
2ヶ月目:旅行と気持ちのリセット
2ヶ月目に一人旅をしました。北海道に5日間、何の計画も立てずに行きました。ガイドブックも見ない、観光スポットも調べない、「行ったところに行く」だけの旅です。
函館から小樽まで電車で移動して、気になった店で飯を食って、疲れたらホテルに戻る。やることが何もない旅は、最初は手持ち無沙汰でした。でも2日目から「今日どこ行こうか」という純粋な好奇心が戻ってきた気がして、それが嬉しかった。
旅から帰ると「あ、俺まだ旅できるな」という感覚がありました。仕事に追われていた頃は「ゴールデンウィークに旅行しても仕事のことが頭から離れない」という状態でした。旅に集中できたことで、燃え尽きていた気持ちが少しずつ戻ってきている確認ができました。
3ヶ月目:自己分析と再就職への心境変化
3ヶ月目に入ってから、少しずつ「次のこと」を考え始めました。焦りではなく、自然に「次は何をしたいか」という問いが浮かぶようになったタイミングで、ようやく自己分析を始めました。
やったのは「好きだったこと・嫌いだったことリスト」を書くことです。前職でやっていた業務の中で、好きだったものと嫌いだったものを全部書き出す。好きだったことの共通点を探すと「人に教える仕事が好き」「数字を扱う仕事が好き」という傾向が見えてきました。嫌いだったことの共通点は「誰かの方針に従うだけで自分の判断が反映されない仕事」でした。
この自己分析は、焦っていた状態では絶対にできなかったものです。早く就職しなければというプレッシャーがある状態では、「何が好きか」ではなく「どこが採ってくれるか」という視点で動いてしまう。空白期間を持ったことで、方向性が明確になりました。
3ヶ月後の再就職
3ヶ月後に転職活動を始めて、2ヶ月で内定を得ました。前職より年収は一時的に下がりましたが、「自分が判断できる仕事」という軸で選んだ結果、今は仕事に対する感覚が全然違います。
「空白期間があると転職に不利」という話は確かにあります。採用面接で「退職後3ヶ月間何をしていましたか」と聞かれました。正直に「体を休めてから自分が本当にやりたいことを考える期間にしました」と答えました。ここで「本当にやりたいこと」の具体的な説明が必要で、3ヶ月の自己分析があったから答えられた。準備期間があったからこそ、面接で説明できた。
「次を決めてから辞めるべき」という正論は分かります。経済的な余裕がなければその通りです。でも、燃え尽きた状態で次を選ぶリスクも本物です。どちらが自分に合っているかは、自分の状態を正直に見極めるしかありません。
